みんな農園~第35弾 最終話 挑戦に限界なし~
2019年に発生した台風19号で被災を受けた山田町船越地区の住民さんと共に3年の間コミュニティ農園やサロン活動を行ってきました。
最終年度となる2023年2月、最後の開催となったサロンの様子をお伝えします。
「第24弾ブログ」でお伝えした新たな展開のサロンではみなさんの挑戦心に火がつき、今後手仕事によるお小遣い稼ぎができるよう、サロン内容も変更し、さまざまな<初めて>に挑戦してきました。
毎回、苦戦や試行錯誤を繰り返しながら、納得いくまで一つひとつの作品を完成させてきました。そして今回ラストを飾るにふさわしい初挑戦は3月の桃の節句に向けて、羊毛使った刺繍で雛飾りを作りました。
見本を見せつつ羊毛刺繍を紹介すると、ちょうどよいタイミングでテレビ放送されており、ほとんどの方が知っていました。しかし、見ただけですぐできると思い込んでしまうみなさんは「簡単にやってっけもんねぇ」との事(笑)
「いやいや、初心者にはなかなか難しいですよ」と話しながら、それでも余裕のみなさん。さらに今までひな祭りのお飾りと言えば“吊るし雛”しか作ったことがなかったそうで、目を輝かせながらお話しているみなさんのわくわく感が半端なく伝わってきていました(笑)
しかし、いざ初めてみると口をそろえて「難しいがなぁ」と早くも苦戦を強いられてしまいます。それもそのはず。今までの布草履のように失敗したら解いて作り直し…なんてできないため一発勝負‼
そのため、みなさんもスタッフもていねいに慎重に進めていきます。が、そのせいか色んな所から「ちょっと来てぇ」や「早くこれ見でけでっ」など、いつにも増してこっちこっちコールの嵐!
他の方の対応をしていてもお構いなしに次から次と声がかかります。それでも初めての割には、かわいく上手に形になったお内裏様とお雛様を眺めて、またしてもみなさんうっとり♡
今回は本当に細かい作業が多く、羊毛をピンで刺す際手を刺してしまうのではないかと心配でしたが大きなケガもなく、それどころかみなさんで協力し、つまみ細工や裁縫で作った花を飾り、控えめだけどちょっと豪華なかわいい雛飾りが完成しました。
今回羊毛を使った作品で締めくくりをしたのには理由がありました。
それは去年の春、田の浜のみなさんにスタッフ村上の想いをお伝えしました。
田の浜のみなさんと農園やサロンをとおして共に汗を流し、知恵を出し合い「出来るだけ予算をかけずに」と、田の浜のお父ちゃん達が材料調達をしてくれた小屋づくりをはじめ、さまざまな道具を手作りしてくれました。お母ちゃん達は小昼(こびり)を差し入れしてくれたり、サロンの際は自分たちが持っている材料を提供してくれたり、田の浜みなさんと共に創りあげてきた3年間でした。
そんなみなさんと、このままサヨナラしたくない想いから、4月には新たな法人として農園とサロンを続けていくことになりました。そして、ドライフラワーとして多く目にする綿を育て、ちょっとした手仕事にできないかと考えました。その試作として、今回羊毛ではありますが刺繍にチャレンジしてみたのです。この企みをお伝えすると「なぁに、綿なんか片手に収まるくらいにしかできねぇがっ」と言われてしまいましたがそれでも最後には「まぁやってみっか」とのお言葉をいただきました。
~今までブログを読んでくださった皆さまへ~
財団 大槌事務所の取り組みは本日で最後となります。
しかし、きっとこのブログに新たなスタートを切ったわたしたちの姿をお見せすることができると思います。
私たちの挑戦は、まだまだ続きます。
(むらかみ)