（株）セールスフォース・ジャパンのみなさんとキャリア教育イベントを開催しました！

寒さ厳しい１２月１６日。宮古市地域創生センター「うみマチひろば」において、（株）セールスフォース・ジャパンのみなさんと共に、キャリアセッションイベントを開催しました。

大槌事務所が現在取り組んでいる２０１９年台風１９号被災者支援は、一般財団法人 日本民間公益活動連携機構（JANPIA）の休眠預金活用事業です。セールスフォースのみなさんとは、２２年３月にJANPIA主催のマッチング会（社会課題解決を目指す休眠預金活用団体と企業等とのボランティア・プロボノ マッチング会）で出会いました。わたしたちに共通していることは、「被災地の子どもたちの抱える課題を解消したい」という思いです。

もともと沿岸部には高校が少なく、中学生の進路選択の幅は狭くとても限定的です。スポーツ（部活動）や専門的な教科を学ぶ場合には内陸部の学校に進学し、自宅を離れて寮や下宿から通学するため、内陸部への進学のハードルは高いのが現状です。

また、東日本大震災以降、被災の有無や貧富の格差が影響し、子どもたちに「学びの格差」が生じているように思います。同時に被災地の「しごと」は減り、沿岸部の若者の人口流出は歯止めがきかず、高齢化は進むばかりです。

しかしコロナ禍以降、学びの方法や働き方の手段は多種多様です。沿岸部に住む子どもたちの学びの機会を増やし、進路選択の幅をどんどん広げ、地元に住みながらも世界を相手に仕事をする選択を知ってほしいという思いから、セールスフォースのみなさんと共に、岩手沿岸部の中高生向けにキャリア教育のイベントを開催することになりました。

参加してくれたのは、宮古市にあるフリースクール「花鶏（あとり）学苑」に通う通信高校生の１年生から３年生までの生徒のみなさんです。はじめはみなさん緊張の面持ち。だいじょうぶ、こちらも大いに緊張しています！ガッチガチですよ！

今回はコロナ禍という状況から、オンラインで東京にいるセールスフォースのみなさんとつながります。

オンラインという難しさや気恥ずかしさもありますが、それぞれがタブレットやスマートホンを駆使し、ゲームのようなアイスブレイクから始まります。これもオンラインならではの醍醐味です。

質問の回答をそれぞれが入力すると、カラフルにみんなの回答が表示されます。まさに十人十色！	地方には珍しい大手IT企業で働く方々の「挫折」や「人生の岐路」に聞き入る生徒のみなさん

 

今回のセッションのテーマは、

「自分や他者のもつ性質や資質の多様性を理解し、次のステップに向けてどんな行動をするか考える」です。

生徒のみなさんには、

・性格や技術など、今の自分に備わっていると思うこと

・これから身につけたい能力やセンス、技術

上の２つを事前に考えてもらいます。

もちろん大槌事務所の”かしまし３姉妹”も事前に話し合い、発表しあいました。しかし、大人になっても自分自身のことを客観的に分析するのは難しいものです…大槌事務所のスタッフは、それぞれの持つ資質を教え合う結果となりました。大人でさえ自分自身への理解が難しいのですから、高校生のみなさんはどう感じるだろうか？

少しの不安を抱え当日を迎えましたが、高校生のみなさんこそ、自分自身の持つ資質や今後補うべき資質を十分に理解している様子です。そこには謙遜や忖度なく、自分自身や友人を理解する純粋で素直な姿がありました。

また、セールスフォースのお二人からの自己紹介スピーチでは、さまざまな挫折や苦悩を繰り返し現在に至っていることや、苦手な分野に挑戦することで視野が広がることが伝えられ、生徒のみなさんも時に驚きの表情を浮かべ、大きく頷く姿もありました。

誰しも「決してまっすぐに今の場所に辿り着いたわけではなく、また、何歳でも何度でも挑戦し続けることができる」のだと、高校生のみなさんと共に、改めて学ぶ機会となりました。

高校１年の男子生徒は、「目標にしていることや自分の得意とすること以外にも目を向け、苦手なことにも挑戦し、今後の進路選択の幅を広げたいです」と、まっすぐな眼差しで語ってくれました。

少し他者と違う手段を選択すること、少し他者より遠回りすること、だけど他者より少し早く経験を積むこと、少しコンプレックスに感じること、それもみんな自分を構成するもののひとつであり（わたしもみんなと同じ経験をしています）、なに一つとして無駄なことなんてありません。

今回のキャリアセッションを開催し、わたし自身の「持つ資質」と「今後備えたい資質」を見つめ直し、次の目標に向けて高校生に恥じぬよう、高く腕をあげて旗を掲げよう！と心に誓いました。

今回、ご協力くださったセールスフォース・ジャパンのみなさん、花鶏学苑の先生や生徒のみなさん、素敵な出逢いとご協力をありがとうございました！

また、お会いしましょうね！

（なかい）