買い物支援~かあちゃんの愛情たっぷり秘伝味噌!の巻~

2019年台風19号で被災した岩手県山田町船越田の浜地区では、とても交通の便が悪く、バスを利用すると一日がかりの外出になります。また、タクシーの往復料金は年金暮らしの高齢者の家計に大きく負担かがかかる状態になっていたことから、大槌事務所では買い物支援活動を行っています―――

今回の買い物支援は、80代のお母さんです。台風19号では床上浸水被害を受け、トレードマークの“しょい(背負い)カゴ”を背負い、自宅と応急仮設住宅を歩いて行き来していました。今では、大好きな畑仕事や「みんな農園」でスタッフに「こびり(※)」を差し入れしてくれる農園には欠かせないムードメーカーです。(※小昼。仕事の合間に食べるおやつ)

さて、今回買い物するのは「大豆、塩、麹」。何十年も続けている味噌づくりのために、大槌町の産直へレッツゴー!!産直に着くと、すぐさまお目当ての食材を購入・・・「えっ、もう買ったの⁈」と、あまりの素早さにスタッフは目が点・・・!

浜仕事で鍛えた眼力は食材を見極める早さだけではなく、レジまで駆けぬける速さまでも備えていました。材料が揃うとやる気が一気に高まり、帰りの車の中では、「今までお店で味噌を買ったことがない。遠方に住む息子たちもやっぱりこの味噌がうんめぇって持って帰る。遊びに来たときは母さんの味噌汁が食べたいとお願いされるほど一番うんめぇ味噌なんだ」と得意気に教えてくれました。〝東北の家庭の味・味噌おにぎり”も絶品と聞き、食いしん坊のスタッフは「それ食べたい!」と何度おねだりしたことか・・・

2月に仕込んだ味噌は完成まで約10か月かかるそう。8月に少し様子を見せてもらいました。

順調に発酵が進み味噌の芳醇な香りが室内に広がります。完成(おすそ分け)が楽しみ!

 

お盆などに息子さんたちが帰省するときには、畑で作った野菜や地元でとれた魚を使った手料理を振る舞う喜びを活力にしている様子で、そんなときは買い物も一段と張り切ります。

また、息子さんたちと囲む食卓では「いつも財団の支援で買い物に行ってんだ」と日々の買い物の様子を伝えると、息子さんたちも「よかったなぁ。こうして、うんめぇ料理を作っているうちは、俺らも安心だ~」と話しているそうです。

そんな嬉しい報告を聞くと、一人で暮らす高齢の方々への買い物支援が、まるで〝娘との楽しいショッピング”となるよう、さらにトークに磨きをかけなければ!と気合も十分になります。

そして、このお母さんから「一度決めたことを継続する」姿勢を学び、今一度、気を引き締めたスタッフなのでした。

 

(芳賀)

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