二本松で始めた小さな集まり!

 

集まりができるまで

 二本松には、震災後浪江町から避難を余儀なくされた方々が現在もなお多くの方々が住んでいます。昨年5月、財団福島事務所が二本松に開設されてほどなく、二本松市内に新町なみえというNPO法人が、浪江から避難している方々の支援をしていることを知りました。早速話を聞きに行ったものの、間もなくNPOが解散するというのです。避難者支援のための補助金が打ち切られ、活動がままならなくなったとのことでした。その後も、活動がどうなっているのか心配になり、何度か連絡を入れましたが、返事はないままでした。二本松に住む一人として、また財団の職員として、何かできることはないかと数少ない知り合いのつてを辿り、新町なみえの動向、復興公営住宅に住む方々の現状を聞いて回りましたが、情報は少なく、何も生かせるものはないままに時間だけが過ぎていきました。

 しかし、今年に入り、ふくしま生活困窮者ネット会議でつながった児童養護施設の被ばくの見守りをしている団体の理事長から、二本松で障害者の通所施設を運営している浪江出身の方を紹介していただき、俄然希望が見えてきたのです。

       

 私は、率直に復興公営住宅の方々の現状を尋ね、何か一緒にできることを考えたいと伝えました。すると、復興公営住宅では、高齢化が進み、孤立の問題が起きている現状があるとの返事をいただきました。あっという間に、障害者団体理事お一人から、長新町なみえの理事長だった方(団地の目の前で時計屋さんを営まれていました。)、石倉団地自治会長とつながり、団地の方々を中心とした居場所を作ろうという話が持ち上がったわけです。

       

 

 場所は、団地の目の前にある喫茶店コーヒータイム OBRI (障害者の就労支援のための喫茶店)です。月に1回もしくは2回午後の数時間を貸し切って行うことに決定しました。チラシを作り、団地に掲示してもらうと同時に、声がけを行いました。

 一人で暮らしていても、孤立せずに誰かとつながっている生活を実現したい、そしてその一人一人の人生を大切に思い、震災で断ち切られた人生を一つにつなげる作業をしたいと話し合いました。あの日を境に希望が見いだせない人がいたとしたら、そこに寄り添って、死を前にしたときに自分は幸せだったと思える人生であってほしいと切に願います。

   

 

初めてのおしゃべり会

おしゃべり会(仮称 これからみなさんと考えます。)は、10月20日(金)13:30から始まりました。一人でも二人でも来てくださればと思っていましたが、8人が集まりました。メンバーは、団地に住む方々や数年ぶりに団地を訪れた方です。自己紹介もそこそこに、団地での生活ぶりをそれぞれがユーモアたっぷりに話しだし、笑いの絶えない時間となりました。誰かと話すこと、笑うことが生活の中でとても大切なことだと実感した時となりました。

 

これから

まずはとにかく参加してもらうこと、そしてつながりを広げ、なかなか家の外に出られない人へ声を掛けられることが第一番目の目標です。そのためには、参加してくださる方々の興味を引き出しながら、楽しむことのできるプログラムを一緒に作っていこうと考えています。

二本松市内のフードバンク、農民連のみなさんの協力も得ることができました。みなさんに助けられながら、今ここでの生活をいつくしむことができる仲間を増やしていきたいと思います。

この小さな集まりは始まったばかりです。

【記事 豊田】

 

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