能登半島沖地震への活動③

能登半島地震の被害に会われた方々に心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。被害に会われた方々と災害支援に対応されている方々が、1日でも早く日々の暮らしに戻れることを願っています。

 

あるボランティアさんの記録 〇+3月+〇

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5:30 金沢教会を出発、レンタカーのステップワゴン。

道中の自動車専用道路、谷側の片側車線が崩れ落ちているところが何か所もあった。

ワイヤー状のガードレールだけが電線のように空中に残っていた。

もとの道路が完全に崩落し、山側を削ってアスファルトを撒いて通れるようにしているところもあった。

 

山がまるでスキー場のように崩れているところがあり、数台の警察バスが停まり、作業員と重機が展開。

まだ見つかっていない方がいらっしゃるとのこと。

 

8:30ごろ 輪島市に入った。

ピサの斜塔のように傾いたビルや民家、1階部分が完全に潰れた民家がいくつもあった。

地震から2か月がたつが、ほぼ手つかずの状態のように見える。

大火が報道された朝市通りは、潮風のためか視界のほとんどが赤茶のさび色。道路側の端に、まだきれいな色のお茶碗と焼き物の人形が集めてられて、その前に焼けたうつわが置かれて花が供えられている。

1階部分が崩れ落ちて、人の字型の屋根だけになった民家の前、その軒下にブルーシートがかけられ自転車が留めてあった。その状態の自宅で生活されているような雰囲気があった。

能登半島の北部は水道が復旧しておらず、作業員の宿泊が困難なため、なかなか工事が進まないとのこと。

 

輪島市 重蔵神社となりの工房長屋で、炊き出しの手伝い。

輪島セントラルキッチンさんのお手伝い

地元の飲食店関係の方がほぼ毎日炊き出しを行われていて、出食数は1,500とのこと。

皆さん徒歩や車でいらっしゃり、世帯分の食事を受け取られている。

雪がちらつくなか、大量の、にんじんの皮むき、ごぼうを水に漬けながら土落としと皮むき。

現場の方がお湯(水と燃料は貴重だと思われるので大変ありがたい)と使い捨てビニル手袋を提供してくださった。

財団チームは毎週土曜日に手伝いに行くそうだが、テムレス手袋などを持参したほうが良いかもしれない。

トイレは郵便局の仮設トイレ。

とにかく皮をむきます

12:00 炊き出しと並行して、カフェ「あったかfe」を開催する。

金沢教会幼稚園の保護者の方が用意してくださった手作りのお菓子と温かい飲み物を提供。63人。

受け取られた方が、どこから来たのか、その恰好では寒いだろうと気遣ってくださる。確かにすごく寒いです。

炊き出し・カフェでは屋外であまり動かないので、街頭募金レベルの防寒が必要か。

炊き出しを受け取って持ち帰りながら、カフェの声かけに応答してくださった方、何人か足元の段差でつまづきそうになった。

地震の影響で側溝部分と路面の高さが異なっているため。

せっかくの食事をこぼしては大変なので、相手の足元を注意しながら声かけした方が良いかもしれない。

工房長屋のまわりは、猫とカラスが多かった。

寒いけど晴れ

14:00 撤収。

往路の自動車専用道路の一部は震災で一方通行のため、別ルートで戻る。

道路状況の変化に車載ナビが対応できているのか不安なので、スマホのGoogleマップも使う。

 

ボランティアで能登に来て考えたこと。

災害で上下水道が止まると、作業員やボランティアが泊まれなくなるので、復旧や支援も止まる。目からウロコだった。能登半島では、地形的にこの影響が大きい。

ソフトバンクなどの移動基地局車をたびたび見かけた。避難所内での連絡にも携帯電話は必要だし、ネットがなければ情報を得られない。とてもありがたい。(ソフトバンク車は屋根から煙が出てたので印象に残ってます。発電機の排ガスですかね)

罹災証明書の発行が遅れているなど、自治体はパンクしていると思われる。国などから自治体への支援がもっと必要なのかもしれない。

民間でできることは本当に小さく偏っている

生活再建のロードマップ的なチラシとして、財団では、NHKや有志の弁護士が作成した資料を抜粋して配っていた。ただ、民間チラシは警戒されているように感じたので(詐欺を心配?)、自治体がチラシやポスターを公開して欲しい。(すでにあるのかもしれない)

これから、支援が縮小して地域の自主避難所は閉鎖せざるをえなくなるが、単身高齢者など被災によって見守りが必要になった方はどうなるのだろうか。地域を離れて指定避難所→仮設住宅か、無理して自宅へ戻るか。自宅へ戻った場合、地域で支えきれるのだろうか。

支援活動をしていると現地の方から「ありがとう」と言われることが多い。こちらも、できるだけ「ありがとう」を返すように心がけた。少しでも自己有用感の足しにしていただければ。

支援物資の入った色とりどりの手提げバック

財団のfacebookを更新する機会をいただいた。「避難所の皆さんは協力し合って頑張っておられました」と書こうとして考え直す。避難所運営に協力できてないと感じてる方がいるかもしれないし、地域外へ避難した方は罪悪感をおぼえるかも。考えすぎなのかもしれないが、言葉には非常に気を使う。

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【 記事:抱樸からのボランティア K 】

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