福島県葛尾村、大熊町、双葉町の今の様子
福島県では2020年3月に「帰還困難区域」以外の避難指示がすべて解除されました。
また同月、JR常磐線の駅周辺の区域の避難指示が解除され、
「帰還困難区域」の一部ではじめての解除となった2021年の現地が
どのような様子なのかをNPO法人昭和横町の志田さんに案内いただきました。
葛尾村では、新型コロナウイルスの感染拡大の影響は高齢の方々の外出機会の減少となり、
フレイル(加齢により心身が老い衰えた状態)の傾向が高まっているとのことでした。
震災前は多くの世帯は田畑を持ち、自給自足で生活が成り立っていた村が、
震災後田畑での耕作を辞めざる負えなくなり、食べるものに困る状況が続いています。
そのような世帯に志田さんは今でもお米などの食糧を届け続けています。
次に志田さんが案内してくださったのは富岡町の「夜の森の桜並木」です。
桜の季節だけ奥のゲートが開き通行が可能となる桜並木だそうです。
志田さんにとっては思い出多い場所だそうですが、場所一帯にバリケードが巡らされている風景は、
10年経過した今も見るのがとても嫌になると胸の内を話してくださいました。
大熊町では地域の方々の食堂として愛されている大熊食堂を案内いただきました。
大熊町では温泉施設や商業施設ができていました。
その商業施設には新鮮な野菜などを扱う店舗がないとのことで、
志田さんはキッチンカーで新鮮な野菜など販売ができないかと思案中だそうです。
次の向い先の双葉町では高校を案内いただきました。
志田さんは若い世代が帰還して来ることが増えた場合、
教育の場所の確保について考えていく必要があるとお話しくださいました。
宮城県や岩手間も同じ東北の沿岸の被災地ですが、
福島県の復興の進み方は何か違うものがあると感じます。
この先この地域がどのように復興し地域に住むみなさんの生活がどのように変化していくのか
少しだけお邪魔しただけではわかりませんでしたが、地域のみなさんが安心して
穏やかな暮らしぶりになるよう微力ですが関わりを持ちながら応援していこうと思いました。
【 記事:吉田 】