つながりを創る③==災害で人を活かすつながり==

〇世帯の状況に合わせた個別の生活再建をマネージメントする

 実態調査が概ね完了した2013年6月以降、出会った被災世帯のうち、生活課題を確認した世帯については、継続的に訪問活動が行われた。特に高齢世帯が多く、独居世帯や家族に障害がある人がいる世帯など、状況に応じて行政の相談窓口と協働・連携しながら生活状況のアセスメントを行い、生活の改善や見通し立てに努めた。

書類の書き方から一緒に考えます

〇わたしがいてあなたがいて、みんなが活きる場所

 一方で、訪問世帯の中には被災による精神的なダメージが原因で立ち直れないでいた世帯があり、社会的孤立が心配されていた。そこで、外に出かけて同じような悩みを持つ被災者と交流する機会を創れないものかと考えるようになった。当時、市内外の支援団体が、仮設住宅や地域単位の被災者向けサロンを開催していたが、参加意欲が持てず、自宅に籠りがちの人たちには敷居が高い状況があった。大船渡のスタッフは、支援対象者のうち自宅に籠りがちな状態にある人に声をかけ、手芸を題材にサロン活動を行っていくこととした。最初は、手芸を一緒に作る機会を個別に実施、4~5名ほどの小規模交流グループを創ることに成功した。また、この活動をきっかけに、サロンで作った品々を地域のコミュニティースペースに展示する機会も設け、展示会に来るお客さんから、作品への賞賛の声を聞くことを通じて、自己有用感を得ることにもつながった。

サロンの活動内容は参加者のやりたいにあわせて新しく創ります

〇生活状況の変化に合わせた伴走型の生活再建支援

 津波冠水地域の全戸調査完了から約2年、在宅被災者が抱えていた生活再建課題への対応は、急性期のものから復興期の対応に変化し、支援対象世帯も漸減していく。災害から暮らしを復興していく中で、相談員が被災者と悩みを共にしながら進んできたことは多方面から被災者を支え、1日でも早い暮らしの再建を可能としたと思っている。また、被災者の経年による高齢化や単身化が進み、社会的孤立防止への対応を考えていく時期にさしかかっていた。同時期、市内の応急仮設住宅の解体計画が打ち出され、応急仮設住宅からの退去・生活再建支援が被災者に必要な支援となっていた。そのため大船渡市と共に、被災者1人1人の状況に合わせたオーダーメイドの生活再建支援を展開していくこととなっていく。ここから再び、新たな被災世帯との出会いが増えていくことになる。

現在も行われている復興公営住宅での居場所の活動

【 原稿:特定非営利活動法人きょうせい大船渡 熊谷 新二・編集:吉田 】

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