Tさんの畑にお手伝いに行く

東日本大震災の時に在宅被災者のお宅へ訪問や生活物資をお届けしていた時に出会ったTさん。

在宅被災者とは
東日本大震災の時、自宅は倒壊を免れたが、半壊や浸水の被害に遭いながら何らかの理由で電気、ガスや水道等が使えない状態で(避難所には行かず)自宅生活を続けていた人たちです。
当時は在宅被災者へ救援物資が届きにくい状況でした。共生財団は在宅被災者の方へ救援物資をお届けしながら生活の困りごと等の聞き取りを行ったことが現在の支援活動に繋がっています。

震災で被災し、その後もいろいろなご苦労が重なり、ここ数年やっと奥様とふたりの穏やかな暮らしがありましたが、残念なことに奥様は体調を崩し長期の闘病生活を強いられることになってしまいました。ひとり暮らしになってしまったTさんは何をするにも張り合いがない、ひとりは寂しいと・・・。
趣味の家庭菜園をすすめてもやる気が出ないと言います。
何とか元気になって貰いたくて共生財団のスタッフと一緒に畑(家庭菜園)に野菜の苗を植えることを提案してみたら「じゃあ、やってみるか」と重い腰を上げてくれました。みんなで土を耕してトマトを植えたいと言うので、近くのホームセンターで買ってくださいねと伝えたら「みんなで買いに行きたい」と。それではと翌日スタッフがトマトの苗を買いに同行し、一緒に植えました。

トマトを植える準備中です・・・トマトの苗はみえませんね?

翌日、Tさんからどうしても欲しくなって隣町までトウモロコシと枝豆の苗を買いに来ているから植えるのを手伝ってほしいと電話がありました。
力が出ないと言っていたTさんでしたが、隣町まで野菜の苗を買いに行ったことが嬉しくて、翌日も野菜の植え付けのお手伝いをしました。

Tさんこだわりの枝豆の苗も植えました!

これからはTさんと一緒に野菜の生育状況を見たりお手伝いするために時々訪問することにしています。
もうひとつ、ひとりは寂しいというTさんの為に承諾を得て小さな居場所を作ることにしました。
事務所の敷地内にある小さなプレハブ小屋をちょっと改造して、好きな時間に手仕事ができるスペースを設けました。疲れたら事務所でお茶をすすりながら歓談して・・・誰か気の合う人がいたら誘って一緒にやってもらうのもいいかなと思ってます。
ゆっくりでも交流が生まれ地域の中での暮らしを願ってわたし達も取り組んでいこうと思っています。

出会ったひとりの人、ひとつの命を大切に。そして繋がり続ける。
「もっとも小さくされた者への偏った支援を小さくかつ継続的に行う」聖書から引用された言葉ですが、共生地域創造財団が第一に掲げる理念です。

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